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Hitachi

Aera MFC / SAM MFC MFC トラブルシューティング マスフローコントローラーを調査、調整する前に必ずお読み下さい。

MFCで不適合や故障などにより制御に問題(トラブル)が起こった場合には、まず現場での確認が大変重要です。しかし調査作業には危険を及ぼす恐れがありますので、安全には十分に注意・配慮の上、お客様ご自身の責任に
おいて作業を行って頂きますようお願いします。

1. MFCへの供給ガスの調査

■ MFCに対する投入圧力を確認する。
MFCは入口圧力と出口圧力の差圧によって動作します。
下記圧力よりも入口圧力が高くなっている事を確認して下さい。

~5SLM未満の製品・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49kPa(g)
5<20SLM未満の製品・・・・・・・・・・・・・・・・・・・69kPa(g)
35<150SLM未満の製品・・・・・・・・・・・・・・・・・147kPa(g)
※圧力が490kPa以上高くなると正常動作しない場合があります。
 また、製品によっては上記圧力と仕様が異なるモデルも存在します。


■ 圧力が来ていない場合の処置


2. MFCの電気系の調査

■ テスタを使用し各種電圧を測定するTester_1.jpg
MFCが正常に動作する為には、電源電圧 (±15VDC)と流量設定電圧 (0~5VDC)が正しく入力されている必要があります。
古いモデルのカードエッジタイプのMFCであれば右図の方法で電圧測定が
可能です。

■ 各種電圧の測定位置
各種電圧の測定位置は次のようになっています。Measure.jpg

  • No A端子(流量設定)
  • No 3端子(流量出力)
  • No 4端子(+15V)
  • No 5端子(-15V)
  • No 2端子(COMMON)
  • No B端子(COMMON)
  • No C端子(COMMON)
  • COMMON端子は内部で共通になっておりますので、電圧値測定の際はどの端子をCOMMONとして利用して頂いても構いません。

■ MFCの電気系調査の進めかたProcess.jpg

3. MFCのゼロ点調整

MFCを正しく使用され、正常に動作している状態でガスを完全に止めたにも関わらず流量表示してしまう場合、
流量計測しているセンサにオフセットが発生している可能性が有ります。
この場合、実流量の計測結果に影響を生じますので、下記手順にしたがって調整作業を行って下さい。

1) エージング(暖機)を行うZero.png
MFCにコネクタを差し込み、流量出力が安定するまで通電します。
(通電は15分以上行って下さい。)

2) ゼロ点値を確認する
MFCの流量出力を確認します。確認は流量表示器、又は出力電圧値で
確認します。計測治具のMFCチェッカーやTERMINAL ADAPTORを
使用すると確認が容易です。

3) ゼロ点調整を行う
コネクタ横のゼロ点調整穴から内部に有る可変抵抗を回して調整を
行います。調整の際は以下条件が整っている事を確認して下さい。
※ゼロ点調整における注意事項
・ガスが完全に止まっている事。
・実際に使用される環境温度である事。
・MFC内部に使用されるガスを封入してある事。
 (サーマルサイフォニング対策)

4. 出力表示と実流量が異なる場合

MFCを使用しているうちに、流量出力と実際に流れている流量に差が生じる事があります。
これはご使用される中で、下記現象となって現れます。
・MFCとは別の方法で実流量を確認出来る場合、その流量と違う。
・同じ条件下のプロセスで成膜結果(膜厚など)に変化が現れた。
・今までと異なる流量設定にしなければ、同一のプロセス結果にならない。

以上のような現象が現れた場合、

MFC内部にゴミの付着やMFC内部に反応性生成物(異物)の堆積などが生じている可能性があります。流量制御
機能に異常がない場合、正常に動作しているように見えますが、流量計測に関する部位は異物によって計測以上を生じます。これは、MFC内部の流量検出を司っているセンサとバイパスの分流比が狂う事に起因します。
分流が狂ってしまった場合、分解修理しなければ機能復旧させる事は出来ません。

■参考:分流異常と部位と流量誤差の関係Block.png

5. メンテナンス品の返送に関するお願い

MFCに人体や環境に影響を与えると思われる物質をご使用された場合は、返送される際に輸送時やメーカー作業者の安全や環境を保護するため、以下の要領でメンテナンス品を梱包し発送をお願いします。

■ 梱包要領
1) MFCガス通路部の気密を行って下さい。
2) 荷造り梱包は、輸送時の振動、衝撃に対し、ビニールの破損やMFCに対して強い衝撃が加わらないよう衝撃吸収材等によって行って下さい。
3) こちらから修理依頼書.pdfをダウンロード頂き、必要事項記載の上、メンテナンス品に添付し以下返送先住所までご返送お願い致します。※送料はお客様にてご負担をお願いします。

【メンテナンス品返送先住所】
〒103-0013
東京都中央区日本橋人形町二丁目14番8号
長野計器人形町ビル
日立Astemo&ナガノ株式会社
計装システム営業本部 宛